生産工程】
木地生産:蓋と本体底板には、シナ合板を使用。反りや割れを防ぎます。
下 塗:パテとウレタンサンディングで木地固めをします。
この時紅色で着色し、乾いたら研ぎます。3回繰り返します。
上 塗:塗り師による手塗1回目。これで通常の春慶塗重箱の完成です。
2回目の仕上げの透き漆をぬります。この作業は越前塗の塗師に任せます。
↓
製品の完成です。
越前漆器の産地である、福井県鯖江市はメガネの産地としても知られています。
飛騨高山よりも古くからの塗り物の歴史があり、
その職人の持つ技術は非常に高く、
中でも、仕上げの漆塗の質の高さは、
同じ漆器産業に携わる者の目で見ても、秀逸です。
残念ながら、その卓越した技能。漆器に対する高い情熱。
どれをとっても飛騨春慶塗の職人の技術の及ぶところではありません。
その越前塗職人の手を借りることで、
高山の塗り物とは、思えないほどの出来栄えになりました。
【豆知識】
最近当店に「製品に塗ってある漆は国産ですか」という質問を頂きます。
残念ながら違います。
現在国内で採取される漆は、年間1400kg程、
これは国内で使用される漆の約3%ほどにすぎません。
現在日本で使われる漆のほとんどが、中国で採取されたものを輸入しています。
しかし、近年中国においても、漆の生産が難しくなっていると聞きます。
原材料の入手困難や、需要減による職人の減少
これらを状況を考えると、漆器というもの造れなくなることも考えられます。