飛騨春慶塗について飛騨春慶塗は岐阜県の古都 高山市で生産される塗り物です。
いきなり余談ですが、以前は京都のような古い街並みが残っているということで、
飛騨高山の冠に“小京都”と付けていました。
現在は付け無いのが普通です。
これは、高山市が“小京都評議会”なるものから、脱会したためです。
高山市の古い町並みは、東山のお寺群や碁盤目の町並みが京都と似ていますが、
小京都評議会に参加している自治体の中には、その参加がに疑問が付く自治体も多く、
評議会の趣旨がよくわからないという理由のようです。
石川県の金沢市や秋田県の角館なども、以前は“小京都”の冠を付けていますが、
両者とも武士の街であり、京都とは町の成り立ちが全く違うということで、同様に
現在では、小京都という冠は付けていないと思います。
飛騨春慶塗特徴は、他産地の漆器のように、
黒や朱といった色漆を使わず、
また蒔絵や沈金といった絵付けを一切していないことです。
透き漆を塗上げることで、天然の木のもつ木目をより美しく際立たせます。
当店でも従来、古くからの飛騨春慶塗とともに、
現代の製法を取り扱ってきました。
さらにこれからは、
他産地とのコラボレーションでより新しい
飛騨春慶塗を提案したいと思います。
飛騨春慶塗の歴史
飛騨春慶塗は約400年の昔、高山城主 金森長近公の時代、
大工がたまたま打ち割ったサワラ材の杢目の美しさに魅せられ、盆に仕立てたものを、
御用塗り師成田三右衛門手により、透き漆を塗り上げて、
城主の子金森重近(後の金森宗和)に献上したのが始まりとされています。